勤務医師と開業医の年収差

勤務医師と開業医の違い(1)

最近は勤務医と開業医の年収格差が話題になることが多いため、医療に関係の無い人でも医師の年収について興味を持っている人は多いかもしれません。 財政制度等審議会では以前から保険点数の改正について議論がされてきましたが、勤務医と開業医の年収格差によって、開業医を目指す医師の数が増えており、勤務医の待遇を是正するために、開業医の報酬を引き下げて病院勤務医に多く医療費を配分する方針を決めました。 開業医の保険点数が引き下げられて、大病院の保険点数を上げることで年収格差を是正しようとしているのです。 政府発表では、開業医の平均年収が約2400万円で、勤務医の平均年収は約1400円となっています。 この数値がどれほどの確度を持っているのかは別にして、全体としては、開業医の方が年収が高いのは事実なようです。 勤務医と開業医の違いは多いですが、まずこの年収の差がよく注目される点です。 近年、日本の病院全体で医師不足の状態が続いています。患者の数に対して医師の数が足りていないため、一人一人の医師にかかる負担が非常に重くなっているのです。 過酷な労働条件で働き続けている医師も多く、長時間の時間外勤務をはじめとして当直勤務を週に何度も担当する場合もあります。 まともに休日を取ることも難しく、例え休日であってもオンコールがあれば24時間いつでも病院にかけつけなければならないのが勤務医の実情なのです。 勤務医の平均年収1400万円は一般的なサラリーマンの平均年収と比較すれば高いかもしれませんが、医師としての労働の対価としては不十分と考える医師は多いです。 その点、開業医は医師としての労働時間は勤務医よりも確実に短いですし、複数人の医師を雇っている場合は患者対応をする負担も軽いです。 それで勤務医よりも高い年収になるのであれば、多くの医師が開業医を目指すというのもうなずけます。 ですが、開業医は医師でありながら、同時に経営者でもあることを忘れてはいけません。 勤務医にはない経営者としての業務は多々ありますし、労務管理や医療行為に必要な機材の管理や開業資金の返済なども必要になります。 こうした医療行為以外の業務が、収入面以外の開業医と勤務医との大きな違いになります。 また、開業医の場合は常に訴訟リスクをかかえることになりますから、その対策としての費用を準備しなければならない違いもあります。 年収面の差だけで単純に開業医と勤務医のどちらが良いかは決められないのがよく分かると思います。